花の女子寮の風呂場のまな板

寮にあった地下のお風呂。そこにまな板がありました。私のことです。

モテアンジュ

私は大学1年の時、女子寮にいました。そこはおっきい風呂が1つあり、みんなで譲り合いながら入るというシステムでした。入寮初日、仲良くなった友人とソワソワしながら風呂場に行きました。女子寮ですので女の子たちが沢山。わあ、女子力高そうだなあ。田舎から上京してきた私はピンクの雰囲気にくすぐったくなりました。可愛い花柄のブラジャーやらこだわりの高そうなシャンプーなどに目を引かれながら私もよそよそしく衣類を脱いでいきました。すると…

「まな板!!」

という声が脱衣場に響きました。その言葉を発した子の目は私の胸に。周りを見渡すと、発達した大人の女の子たちの体。自分を見たら床がはっきり見える。
一気にボンッ!と顔が熱くなりました。

そもそも、人に体を見られる/人の体を見るなんてなかなかありませんでしたから、自分の体のことなんて全然気にしたことなんてなかったのです。でも確かに、周りのみんなにはあって、自分にはない。ピンクのようなお花のような空気の中に1人だけ馴染めていないまな板。この気恥しさは一生忘れられないです。

そして未だに見渡しの良い自分の胸を見る度に虚しい気持ちになります。もう少し増えてもいいと思うんですが。このまな板とおサラバするのはいつの日になるのでしょうか。